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サハラ地方のための自治法令を協議するためのモロッコによるイニシアティブの全文

(記事末尾に英文テキスト全文を掲載)


(ラバト、4月13日)モロッコは11日、南部のサハラ地方に対し実質的な自治を付与する提案『サハラ地方のための自治法令を協議するためのモロッコによるイニシアティブ』を、潘基文国連事務総長に提出した。イニシアティブの全文は以下の通りである。

T. モロッコの最終的政治解決への確約


1、 2004年以来、安全保障理事会は「地域の諸当事者および諸国に対し、現在の膠着状態を終わらせ、政治的解決に向けた前進を達成するために、国連と完全に協力し続けるよう」常に求め続けてきた。

2、 国際社会によるこの呼びかけに応えて、モロッコ王国は積極的、建設的、躍動的なプロセスを実行に移し、王国の主権および国民統一の枠内における、サハラのための自治の提案を提出することを誓約した。

3、 このイニシアティブは、法の支配、集団的・個人的自由、および経済的・社会的発展に基づく、近代的、民主的社会を建設するために為された努力の一環である。それ自体、地域の諸住民にとってより良い未来への希望をもたらし、分離と異郷での生活を終焉させ、和解を促進するものである。

4、 このイニシアティブを通じて、モロッコ王国は領域の内外を問わずすべてのサハラウィに対し、彼らが差別や排除なく、地域の諸機関および諸機構において特権的地位を有し指導的役割を果たすことを保障する。

5、 したがって、サハラの諸住民は、排他的権限を享受する立法、行政、司法機関を通じて、民主的に自らの事案を自らの手で運営することとなる。彼らは地域のあらゆる分野における発展に必要とされる財源を保有し、国の経済的、社会的、文化的生活に積極的に参加する。

6、 国家は王権の分野において、特に防衛、対外関係および国王陛下の憲法上・宗教上の大権に関して、その権限を維持する。

7、 開放的な精神において為されるモロッコのイニシアティブは、相互に受諾可能な政治的解決へと導くであろう対話と協議のプロセスのための舞台を設定することを目的とする。

8、 協議の結果をうけて自治法令は、自決の原則および国連憲章の諸条項に従い、住民投票のために関係する諸住民に提示されるものとする。

9、 この目的のために、モロッコは地域の歴史に新たな章を記す機会を役立てるよう、他の諸当事者に呼びかける。モロッコは、このイニシアティブの精神において、真摯で建設的な協議に参加し、信頼の雰囲気を醸成することに寄与する用意がある。

10、 この目的を達成するために、モロッコ王国は国連事務総長およびその個人特使と完全に協力する意思を維持するものである。



U. モロッコの提案の基本的要素


11、 モロッコの自治計画は国際連合機構の関連する諸提案から、また地理的・文化的にモロッコに近接する諸国において有効な憲法条項から示唆を引き出している。同計画は国際的に承認された規範と規準に基づいている。


A. サハラ自治地域の権限

12、 民主的諸原則および手続きに従い、また立法、行政、司法諸機関を通じて行動するサハラ自治地域の諸住民は、地域の領域的境界内で、主として以下の分野に対する権限を行使するものとする:

 ・ 地域の地方行政、地方警察力および司法権;
 ・ 経済部門に関する事項:経済発展、地域計画、投資・貿易・産業・観光および農業の振興;
 ・ 地域の予算および税制;
 ・ インフラストラクチャー:水、水道施設、電力、公共事業および運輸;
 ・ 社会部門に関する事項:住宅、教育、保健、雇用、スポーツ、社会福祉および社会保障;
 ・ 「サハラ・ハッサーニー文化遺産」の振興を含む文化的事項;
 ・ 環境。

13、 サハラ自治地域はすべての分野におけるその発展のために必要とされる財源を保有する。財源は、とりわけ以下から得られる:

 ・ 税、関税および地域の適切な機関により定められる地域的な課税;
 ・ 地域に帰属する天然資源の採取から得られる収益;
 ・ 地域に存在する天然資源の採取から国家により徴収された収益の分配;
 ・ 国民的連帯の原則に従って配分される必要な資金;
 ・ 地域の資産から生じる収益。

14、 国家は特に以下の分野に対する排他的管轄権を維持するものとする:

 ・ 主権に属するもの、特に国旗、国歌および通貨;
 ・ 信徒の指揮者、礼拝の自由および個人的・集団的自由の保障者である国王の憲法上、宗教上の大権に由来する帰属物;
 ・ 国家安全保障、対外防衛および領土保全の防衛;
 ・ 対外関係;
 ・ 王国の法令。

15、 地域の特権に直接的関係を有する諸問題について、対外関係に関する国家の責務は、サハラ自治地域との協議のうえで行使されるものとする。サハラ自治地域は、政府との協議のうえで、地域間対話および協力を促進するため国外諸地域との協力関係を樹立することができる。

16、 上記第13項に規定されたサハラ自治地域における国家の諸権限は、政府の代表者により行使されるものとする。

17、 さらに、所定の当事者に特定して委託されない権限は、サブシディアリティーの原則に基づき、共通の合意により行使されるものとする。

18、 サハラ自治地域の諸住民は議会および他の国家機構に代表を送るものとする。彼らはすべての国政選挙に参加するものとする。


B. 地域の諸機関

19、 サハラ自治地域議会はサハラウィの各部族により選出される議員、および地域の住民により直接普通選挙によって選出される議員から構成されるものとする。サハラ自治地域議会には適切な数の女性代表が存在すべきものとする。

20、 サハラ自治地域における行政権は、地域議会により選出される政府の長の職責とする。彼は国王により叙任されるものとする。

政府の長は地域における国家の代表であるものとする。

21、 サハラ自治地域政府の長は地域の内閣を組閣し、本自治法令のもとで、長に委譲される権限行使に必要な行政官を任命するものとする。彼は地域議会に対し答弁可能であるものとする。

22、 サハラ自治地域の適切な諸機関が制定する規範の施行から生じる紛争に判決を下すため、地域議会は裁判所を設立することができる。これらの裁判所は、国王の名において、完全な独立性をもってその判決を下すものとする。

23、 高等地域裁判所は、サハラ自治地域の最高司法機関として、王国の最高裁判所あるいは憲法評議会の権限についての予断にとらわれることなく、地域の法律の解釈に関する最終判決を下すものとする。

24、 サハラ自治地域の諸機関によって発せられる法律、規則、裁判所判決は、地域自治法令および王国憲法に合致すべきものとする。

25、 地域の諸住民は、普遍的に承認されている人権の分野において、モロッコ憲法により与えられたあらゆる保障を享受するものとする。

26、 サハラ自治地域に経済社会評議会が設立されるものとする。評議会は経済的、社会的、専門職および共同体の諸グループからの代表者、ならびに高度の資格を有する者から構成されるものとする。



V. 自治法令の承認および履行手続き


27、 地域自治法令は協議の議題とされ、自由な住民投票において関係諸住民に提示されるものとする。この住民投票は、国際法の諸条文、国連憲章、国連総会および安全保障理事会の諸決議により、当該諸住民による、その自決権の自由な行使を構成する。

28、 この目標に向け、諸当事者はこの政治的解決を促進しサハラ諸住民によるその承認を確保するため、共同して、また誠実に努めることを誓約する。

29、 さらに、自治法令の持続可能性を保障し、国の国家法体系におけるその特別な位置を反映するために、モロッコ憲法は改正され自治法令がその中に包括されるものとする。

30、 モロッコ王国は帰還者らの国の構造への完全な統合を保障するためにあらゆる必要な措置を講じるものとする。当該措置は彼らの尊厳を守り、その安全と財産の保全を保護する方法によりなされる。

31、 この目標に向け、モロッコ王国は特に包括的な恩赦を宣言し、この恩赦の及ぶ諸事実に基づく、いかなる司法審理、逮捕、拘留、収監あるいはいかなる種類の威嚇も排除されるものとする。

32、 諸当事者が提案された自治に合意すれば、諸当事者の代表で構成される暫定評議会が、領域外に在留する武装要員の帰還、武装解除、動員解除および再統合、ならびに選挙を含む本法令の承認および履行の確保を目的とする他のいかなる活動をも支援するものとする。

33、 国際社会とまったく同様に、モロッコ王国は今日、サハラ紛争への解決は協議によってのみもたらされうると確固として信ずる。従って、モロッコが国連に提出する提案は、国際的合法性に従い、また国連憲章に銘記された目的と原則に合致する取極に基づいて、この紛争の最終的解決に達するための協議を開始する真の機会を構成するものである。

34、 この点に関して、モロッコは、地域を苦しめてきた紛争の最終的かつ相互に受諾可能な政治的解決を達成するため、誠実にかつ建設的・開放的精神において協議することを誓約する。この目標に向け、モロッコ王国は、このイニシアティブの成功裏の結果に寄与するであろう信頼の環境を創出するために積極的な貢献をする用意がある。

35、 モロッコ王国は、他の諸当事者がこの提案の意義および意図を正当に認識し、その長所を理解し、この提案に積極的かつ建設的な貢献をすることを希望する。モロッコ王国は、このイニシアティブが創出する勢いが、この問題を一時にかつ全面的に解決する歴史的機会を提供するという見解を有する。

イニシアティブの全文(英語・PDF)



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